miyaはんです。
研究発表を聞いてきました。
研究者によって、発表のスタイルもさまざまで、個性が現れます。
15題の発表を聞いて印象に残ったことをまとめます。
聞いているヒトに伝わる発表で。
一言でいうとこうなのですが、いくつかポイントがあります。
一つずつ書いてみます。
- 話す(原稿を読み上げる)スピード
一般的に、アナウンサーは「400字詰めの原稿用紙1枚分の原稿を約1分で読み上げる」と言われます。
発表時間が10分ならば、4000文字分となります。
そしてスライドを使用する場合は、1枚分のスライド説明を1分と言われます。
ですから、発表時間が10分の場合は、約10枚のスライドです。
ヒトが、説明を耳で聞きながら目で文字を負いアタマで理解できるためにはこのくらいの分量になります。
10分間を定番通りのスライド枚数と説明スピードで収めることができれば、聞いているヒトの理解も深まります。
「よくリハーサルされているなー」と、発表者への評価も高くなります。
しかし、10分間に28枚ものスライドを多用し、発表原稿を早口棒読みの発表は、聴衆は置いてけぼりとなり、発表者一人の自己満足の世界と化します。
言いたいことを、与えられた時間の中で最大限の理解が得られるよう、きちんと整理する、ことも研究者の能力ですね。
- 言葉づかい
質疑応答で、「何となく…」や「だいたい…」という表現が時折ありました。
研究は「よくわからないものごとを明らかにする」ためのものです。
さらに明らかになったものごとを客観的に評価した結果までを発表します。
そのような「厳正さ」が求められる場で、「何となく…」や「だいたい…」といった超主観的な表現は、発表した研究内容の質に影響を及ぼします。
発表の練習をする際には、質疑応答も想定した内容が必要ですねー。
- リハーサルしましょう
発表用スライドをUSBで持参し、会場パソコンに落としての発表でした。
発表途中から、スライドが発表内容を追い越して勝手に先に進んでしまう展開があり、ここでも聴衆は置いてけぼりとなりました。
リハーサル不足が明らかで、スライドショーの設定を確認せずに発表を始めてしまったのです。
発表者は途中で気づき、あわてて先に進んだスライドを戻す作業にエネルギーを使うこととなりました。
残念な状況でした。
リハーサルは、必要です。
何度もリハーサルしてようやく聞いている人々に伝わる“カタチ”になるのです。
質問者が求める内容を応える
発表の場はとても緊張します。
会場全員の眼が自分に集まるのですから。
でも、そこで舞い上がってはいけないのです。
会場で一番「クール」でなければならないのです。
なぜならば、真剣に聞いてくれた質問者への礼儀としてより理解していただくための回答をする義務があるからです。
質疑応答の中には、質問内容と回答が対応していないちぐはぐなやりとりも見受けられました。
もちろん、発表者の責任です。
気持ちをコントロールして、適格な答えをわかりやすい言葉で伝えるって、難しいものです。
かなりの場数をふまないと「気持ちの良いやりとり」ができない。
でも、1回1回恥をかきながらも経験を重ねないと、やはりできないのです。
恥を後引きさせないためには、ズバリ「素直で謙虚なココロ」です。
会場からの指摘に感謝し、自分の研究をより強くするための訓練と捉えて、臨みたいものです。
情熱を伝える
先の項目とも重なりますが、発表の場って自分の研究に対する思いを直接伝えることができる最高のステージです。
論文になってしまうと、淡々と書き綴る文章で、研究者の体温を感じることは困難ですが、発表は違います。
研究で世の中に貢献したいという思いを100%伝える、そんな姿勢も必要です。
発表準備に追われ、睡眠不足もあり、発表当日にはへろへろになっているのが常ですが、最後のひと踏ん張りで、与えられた時間の密度を濃くしたいですね。
今回は、ちょっとマニアックになりました。
でも発表会って勉強になるなー。
自分の時はわけわかんなくなっていますが、他人事だからこんな風にふりかえることができるのです。
感謝です。
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ここまで読んでいただきありがとうございました。
雨の被害が拡大しませんように。
油混じりの水害とのことで、後片付けもより大変な状況です。
被害地域の方々の生活が戻られることを祈ります。