miyaはんです。
最初は、歩数や距離を伸ばすことで精いっぱいでしたが、
少しずつ周囲の風景が目に入ってくるようになりました。
すると、いつものコースの道ばの小さな石仏らしきカタマリが
気になり、しゃがみこんでよく見てみました。
道祖神さんと、「庚申」の文字が彫られた石でした。
「庚申」の意味も分からず、調べてみました。
「庚申信仰(こうしんしんこう)」
庚申信仰は、中国より伝えられた道教に由来する教えです。
中国道教の説く「三尸説(さんしせつ)」をもとに、仏教、特に密教・神道・修験道・呪術的な医学や、日本の民間のさまざまな信仰や習俗などが複雑に絡み合った複合信仰である。ウィキペディア
その内容は、小さいころに祖母から聞かされていた「お話」でした。
人間のカラダには、「三尸(さんし)」という三匹の虫がいる。
彼らは、病気を引き起こす元になっている。
上尸(じょうし)→人間の頭の中に住み、首から上の病気を引き起こす
中尸(ちゅうし)→人間のお腹の中に住み、内臓の病気を引き起こす
下尸(げし)→人間の足の中に住み、腰から下の病気を引き起こす
3匹の虫は、人間が死ぬことでカラダの外に出て自由になれるので、
常々人間の寿命を縮めようと伺っている
普段は、体内から出ることができない
しかし、「庚申の日」だけ人間が眠っている間に体内から飛び出し
天帝(閻魔大王)にその人間の悪行を伝え、寿命を短くしてもらう
人間は、寿命を短くされては困るので、
虫がカラダの外に飛び出していかないように、
「庚申の日」は夜がきても眠らずに、
眠気をとりはらうために集会を開き、太鼓をたたいたり、
ごちそうを食べたり、して夜が明けるのを待った
小さい頃、三尸の図を見せられながら、祖母に聞いた話で、
図的には、中尸がぱくぱくと内臓を食べるイメージがあり、怖かったです。
庚申塔(こうしんとう)だった!
庚申の日は、「かのえさる の日」とも読みます。
通常使用している「干支」の「十二支」と「十干」を組み合わせると
60の組み合わせができて「庚申(かのえさる)」は
57番目の組み合わせです。
つまり、「庚申の日」は、60日に1回の割合で巡ってきます。
また、年で計算すると1年は365日で「庚申の日」は基本6回ですが、
年によっては、5回の年もあれば七回の年もあります。
それを五庚申と読んだり、七庚申と言ったりします。
庚申の日(年)は、金気が天地に充満して、人の心が冷酷になりやすい
とされていますが、七庚申年は豊作、五庚申年は凶作という
伝承が岩手県には残されています。
また、庚申の日に、夜を寝ずに過ごし夜が明けるのを待つことを
庚申待と言います。
庚申待を行うための集まりを「庚申講」と言いました。
平安時代に中国から伝来した「庚申信仰」ですが、
江戸時代には「庚申待」を18回繰り返すと、それを記念して
石碑の建立がさかんに行われました。
今、道ばたに残っているのはこの石碑「庚申塔」と呼ばれるものです。
庚申塔は、道と道の継ぎ目に建立されることも多く、
「塞神(さえのかみ)」としての役割もはたしていたと言われます。
※「塞神」→村や部落の境にあって,
邪悪なものを防ぐ“とりで”の役割を果たす。
庚申信仰は、地域の人々の暮らしに深く根付いていたのですね。
今年の庚申の日は?
7月22日(月)、9月20日(金)、11月19日(火)です。
何かを計画して、夜を楽しみましょうか?
それとも「三尸」がカラダから抜け出てどこかにいくのを、
眠ったふりしてみていましょうか?
庚申の日のウォーキングでは、庚申塔に手を合わせ、
平穏なくらしの守護に感謝して、今後の健康を祈りたいと思います。
庚申塔が残る街で、田んぼの風に吹かれながらくらしを営む幸せを
感じています。
日々の穏やかなくらしが続きますように!(^^)!